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下肢動静脈治療センター

概要

下肢動静脈治療センターってこんなとこ

足の動脈と静脈の治療を専門に行います。

足の動脈が詰まると、足が痛くなったり冷たくなったりします(閉塞性動脈硬化症)。さらに悪くなると足が壊死(腐ること)して紫色や黒色に変色します。こうなると切断しなくてはいけないこともあります。早めの診断と治療が大切です。

足の静脈の病気になると、足がむくんできます。むくみにはいろんな原因がありますが、片足だけが強くむくんでいる時には、往々にして静脈が詰まっています。静脈が原因のむくみには薬の効きは悪く、静脈の詰まりを通してあげないと治りません。

当センターでは、臨床経験豊富な循環器専門医により、最新のカテーテル治療が可能です。カテーテル治療の他にも高気圧酸素療法や脊髄刺激療法(SCS)も施行しています。腎臓機能が悪い方や造影剤にアレルギーのある方でも対応が可能です。

他の病院で治療が難しいと言われた患者さんも、ぜひ一度ご相談ください。

取り組み

素早く検査

かんたんな検査(ABIなど)で診察初日にほぼ診断が可能となっていますが、追加で 超音波検査やCT検査を行うこともあります。必要な検査を行い速やかに治療を開始します。

チーム医療が充実

下肢の動静脈疾患は、ひとつの専門科だけでは治療ができません。 循環器内科を中心に、皮膚科、形成外科や整形外科、フットケア専門看護師、血管外科などのスペシャリストがチームとなって診療にあたります。

最新の治療を提供

当院では高気圧酸素療法や脊髄刺激療法も可能です。 また、高度の石灰化病変を治療するためのクロッサーシステムなど、最新の機器を駆使して治療にあたります。

リハビリテーションが充実

経験豊富な理学療法士が入院でも外来でも充実したリハビリテーションを提供いたします。

 

末梢動脈疾患(PAD)

こんな症状はありませんか?

足が痛い
  • 歩くと痛むが、休むと落ち着く。
  • 休んでいても足が痛む。
  • 痛くて夜眠れないことがある。
足が冷たい
  • 右足と左足の温かさが違う。
  • 運動をしたあとに冷たく感じることがある。
足の色が悪い
  • 足の色が変わってきた
  • 足にジクジクした傷ができてなかなか治らない
足がしびれる
  • じんじん、ちくちく、ぴりぴりした感じがする。
  • 足が重い感じがする。

チェックリスト

□足がしびれる、冷たい

□足の色が悪い(赤紫、白、青紫)

□左右の足の色が違う

□歩くとふくらはぎが痛くなり、休むと10分くらいで痛みが消える

□上り坂や階段で、ふくらはぎが痛くなる

□寝ている時でも足が刺すように痛い

□足・指の小さな傷でも治りにくい

□足の指が黒く壊死している

□足に潰瘍ができてなかなかなおらない

□足の血管の病気になりやすい人
  (糖尿病、高血圧、たばこを吸っている、透析をしている、コレステロールが高い)

1.閉塞性動脈硬化症って、どんな病気?

足の血流が悪くなる病気です。
閉塞性動脈硬化症とは、足の血流が悪くなる病気です。動脈硬化などによって足の動脈が狭くなったり詰まったりすると、足に十分な血液が送ってあげられなくなります。そうすると足が冷たくなったり痺れたりしますし、さらに悪くなると足が腐ってしまうこともあります。欧米では、たくさんの人が足の血管の病気のために足を切断しています。肉食が多くなったためか、最近は日本でも大きな問題となってきました。

2.足の血管の病気はがんより怖い

足の血管に動脈硬化がある人は、全身の血管に動脈硬化が進んできている可能性がとても高いのです。
足の血管の病気があると、大腸がんなどのがんの患者さんよりも寿命が短くなることがわかっています。心臓や頭の血管に動脈硬化がある場合は、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが段違いに高まります。足の動脈と一緒に心臓や脳血管もチェックして治療することで、このような恐ろしい病気の予防もすることができます。

3.どんな症状がでるの?

冷感
左右どちらかの足に冷感を伴うことがあります。
歩くと、痛む
歩行していると足のふくらはぎのあたりが痛くなり、歩けなくなりますが、 しばらく休憩すると痛みはとれて、歩行可能になります(間欠性跛行)。 痛みのほかに、疲労、つる、痙攣などの症状も見られます。
疼痛
安静にしていても足が痛み、とくに横になったり、足を上げると痛みます。
傷が治らない

足の指先や指の間、かかとなどにできた傷が、なかなか治らないことがあります。
特に皮膚の色が紫色や黒っぽくなっていると要注意です。

4.かんたんな検査で診断ができます

簡単な検査で早期発見が可能です。最初にABI検査を行います。手と足の血圧を同時に測る機械で、痛みや危険もなく10分ほどで検査が終了します。この検査で異常があれば、どの部位の血管が悪いのかを調べていきます。これも外来で検査ができます。一番はっきりわかるのがCT検査や超音波検査です。造影剤という薬を点滴しながらCT検査をすると、血管がはっきりと撮影できます。腎臓が悪いと造影剤を使えませんので、そういう方の場合にはMRI検査をします。もう一つ大切なのは心臓や脳の血管の動脈硬化を調べることです。足の血管の病気の患者さんは、心筋梗塞や脳梗塞で命を落とすことが多いからです。CT検査やMRI検査で、外来でかんたんに検査することができます。

5.治療について

飲み薬で治療を開始します。禁煙も大切です。これで症状が取れない時には、さらにいろいろな治療方法があります。
最近は治療が進歩して、足の血管を直接治療することができるようになりました。動脈硬化で血管が狭くなったり詰まったりすることが原因なので、動脈の狭いところを拡げてあげれば、症状は劇的に良くなります。以前なら足の切断が必要だったような重症の患者さんでも、切らなくてすむようになってきました。
血管を拡げる治療は局所麻酔で行います。足の付け根や手から注射し、カテーテルという管を使って治療します。23日程度の入院で、治療時間は12時間で終わります。

6.高気圧酸素療法と脊髄刺激療法

カテーテル治療やバイパス手術が難しい場合でも、高気圧酸素療法や脊髄刺激療法(SCS)が可能です。 高気圧酸素療法とは、高濃度の酸素を吸入する治療です。特殊な治療装置が必要です。 脊髄刺激療法は背中にマッチ箱くらいの大きさの機械を植え込んで脊髄を電気刺激することで、血流を良くし痛みをとる治療です。 この治療を行っている病院は少なく、近畿では数施設しかありません。

高気圧酸素療法                  SCS(脊髄刺激療法)

7.足のケアが大切

  1. あしを清潔にすること

    石鹸でていねいに洗い、指の間もきれいにしましょう。

  2. あしを温かくあたためましょう

    もめんのくつ下をはいて冷たくならないよう気をつけましょう。

    お風呂も効果的。
    ※カイロなどはおすすめできません。

  3. けがは禁物

    いったん傷ができるとなかなか治りません。
    ばい菌がはいると重症化することがあります。
    深づめに注意!

  4. 自分の足にあった靴えらび

    サイズがあっていないと、血流がさらに悪くなります

 

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は足の血管がぼこぼことコブの様に浮き出る病気です。進行してくるとむくみ痛みこむら返り皮膚潰瘍などを引き起こします。日本人では15歳以上の男女の43%に静脈瘤が認められたとの報告もあり、患者数は1000万人以上と推定されています。

下肢静脈瘤は命に係わる病気ではありませんが、自然に治ることはありません。軽症の場合は弾性ストッキングによる保存加療で症状を和らげることができますが、重症の場合はカテーテルを用いた血管内治療が必要となります。

下肢静脈瘤は血管外科の病気です。

下肢静脈瘤になりやすい人

・立ち仕事従事者

狭い場所であまり動かず、立ったままだと静脈に負担がかかります。
特に美容師や調理師さんは注意が必要です。

・女性

約7対3で女性が多い病気ですが、男性にも見られます。
出産経験のある成人女性の2人に1人が発症するというデータもあります。

・40歳以上

高齢の方では運動量が減り筋肉のポンプ作用が少なくなります。

・遺伝

血管の強度には個人差があり、固さは遺伝する傾向にあります。

下肢静脈瘤の検査

下肢静脈エコー検査を行います。
60分程度の痛みのない検査です。ふくらはぎ、ふとももの内側から足の付け根までを調べます。通常の診察・検査はすべて保険適用となります。

治療について

グルー治療(血管内塞栓術)

当院では令和26月からグルー治療を行っています。
グルー治療は医療用接着材を静脈内に注入して塞ぐ治療法で、令和元年12月から保険適応になりました。従来の血管内焼灼術では焼灼に伴う熱傷や神経障害が発生する可能性がありましたが、グルー治療ではそれらの危険性はありません。従来の血管内焼灼術と比較して術中・術後の疼痛も少なく、術後に弾性ストッキングを着用する必要もありません。
手術時間は30~60分程度です。
治療は日帰りもしくは1泊で行うことができます。

接着材を注入して血管を閉塞する治療デバイス

血管内塞栓術の様子

日常生活で気をつけること

・長時間の立ったままの姿勢は避け適度な運動をしましょう。

できるだけ長期間立ったままの姿勢は避け、時折休憩したり、歩きましょう。歩くことで筋肉のポンプ作用で血液が心臓に戻りやすくなります。

・下肢を挙上しましょう。

休憩する時は下肢をあげるようにしたり、寝るときに下肢を少し上げて寝るようにしましょう。

・バランスのとれた食事をとりましょう。

塩分や油分の多い食事は避けることで、血流改善や血管への負担軽減になります。

・締め付けの強い下着の着用は避けましょう。

下着の締め付けにより、下半身の血行が悪くなり下肢静脈瘤を悪化させます。

 診療科について

下肢静脈瘤は血管外科の病気です。
不安や苦痛がある方は、まず心臓血管外科外来を受診ください。

外来表はこちらをご覧ください。

 

スタッフ

名前(フリガナ) 八木 崇文(ヤギ タカフミ)
役職 循環器内科 部長
専門分野 カテーテル治療
学会専門医・認定医 日本心血管インターベンション治療学会指導医
名前(フリガナ) 松本 武洋(マツモト タケヒロ)
役職 循環器内科 副部長
専門分野 心不全
学会専門医・認定医

日本内科学会

日本循環器学会

日本心不全学会会員

名前(フリガナ) 宮下 史寛(ミヤシタ フミヒロ)
役職 医長
専門分野 成人心臓血管外科一般・血管内治療
学会専門医・認定医

日本外科学会外科専門医
日本心臓血管外科学会専門医
胸部ステントグラフト実施医
腹部ステントグラフト指導医
下肢静脈瘤血管内治療実施管理委員会実施医・指導医
臨床研修指導医

 

外来担当表

情報量が多い場合に横にスクロールできます。
5エリア
午前
4診 岩﨑
<新患>
 
午後 4診 岩﨑
<新患>
 


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