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整形外科

概要

当院の整形外科では、交通外傷や労働災害などの救急外傷および、四肢関節や脊椎など慢性疾患に対しての治療を幅広く行っております。 手術治療が診療の中心であり、骨折を中心とした外傷の手術加療や、保存治療で症状の改善が得られない慢性疾患の手術治療を行っております。

実績

手術件数
 

2019年度

(平成31年)

2020年度

(令和2年)

2021年度

(令和3年)

2022年度

(令和4年)

情報量が多い場合に横にスクロールできます。
脊椎 248件 256件 254件 263件
上肢 78件 91件 101件 84件
下肢 197件 200件 183件 214件
外傷 369件 386件 480件 467件
リウマチ 1件 1件 3件 2件
スポーツ 28件 27件 21件 14件
小児 0件 0件 0件 0件
腫瘍 10件 10件 8件 10件
合計 931件 971件 1050件 1054件

対応疾患

外来診療

一人ひとりの患者さんに十分な診療時間を設けるために、予約制の外来となっています。地域の医院・診療所との連携を深めて治療を行っており、まずはかかりつけの整形外科で治療を行っていただき、精査を希望される場合、手術治療を希望される場合は紹介状を持参のうえ当院整形外科外来を受診してください。

※午後から手術のため、午前外来の診療予約枠を制限しています。

手術診療

骨折や脱臼など外傷

交通外傷や労働災害による外傷や、近年増加する高齢者の転倒による骨粗鬆性骨折に対する手術などを行います。

人工関節置換術

変形性関節症や関節リウマチなどによる主に股関節や膝関節の疼痛に対して、人工関節置換術で除痛や機能回復を目指します。

人工膝関節置換術はナビゲーションシステムを使用しています。

脊椎手術

頸髄症・腰部脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニアなどの変性疾患に対して、除圧や固定などの手術を行います。

スポーツ外傷

膝半月板損傷や膝十字靭帯損傷などに関節鏡を用いて機能回復を目指す手術を行います。

手・足の外科手術

手根管症候群やばね指など慢性疾患の手術や、外傷や関節リウマチによる腱断裂の縫合術などを行います。

 

変形性膝関節症

加齢とともに内側を中心に軟骨がすり減り骨が変形することを変形性膝関節症といいます。

痛みが強くなり、関節の動く角度が減少し、歩行障害を生じることがあります。

疼痛や変形が高度になれば人工膝関節全置換術の手術を行います。

ナビゲーション人工膝関節全置換術

当院では、滋賀県では数少ないナビゲーションシステムを使用した人工膝関節手術を施行しております。ナビゲーションシステムとはコンピューター技術を使用した最先端の医療機器で、日本でも導入が進んでおります。

ナビゲーションシステムの仕組み

カメラからの赤外線を利用して人工関節の3次元的位置を計測し、より正確に人工関節を膝に設置する支援をリアルタイムで行います。人工膝関節が正確に設置されることで、人工関節の長期の安定性や、患者さんの術後の満足度が改善するとされています。


術中キネマティック、アライメント表示による術中の脚動態解析

 

せぼね(背骨・脊椎)疾患

せぼねの構造

せぼね(背骨・脊椎)は、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、そして仙尾椎で構成されています。

せぼねは体の軸となる骨であり、周辺の筋肉とともに体を支えています。そして脊椎の中には脊髄と呼ばれる中枢神経が脳から腰まで続いています。また頸椎からは上肢へ、胸椎からは体幹(肋間神経)へ、腰椎からは下肢へ、それぞれの脊椎の間から神経根と呼ばれる末梢神経が伸びていきます。これらが各筋肉や皮膚を支配することで、体が動いたり、感覚を感じたりすることができるわけです。

せぼねの病気(脊椎・脊髄疾患)

せぼねの病気にはどのようなものがあるのでしょうか?まずはせぼねの病気をみてください。

せぼねの病気
変形性頸椎症、頸椎骨軟化症、頸椎症性脊髄症、頸椎神経根症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後縦靭帯骨化症、頸部脊柱管狭窄症、頸椎症性筋委縮症、リウマチ性頸椎炎、環軸間接亜脱臼
変形性胸椎症、胸椎後縦靭帯骨化症、胸椎黄色靭帯骨化症、胸椎椎間板ヘルニア、びまん性脊椎骨増殖症
変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎変性すべり症、腰椎分離症、腰椎分離すべり症」、腰椎変性側弯症、腰椎椎間板症、腰椎関節嚢腫、腰椎椎間板嚢腫
その他、圧迫骨折、外傷性疾患、腫瘍性疾患、感染疾患なども複数あり

これまで聞いたことや、ひょっとしたら診断されたことがあるものもあるのではないでしょうか。せぼねの病名はこのようにかなり沢山存在します。医師としてもこれは少し問題があると承知しているのですが、どの点から病態を表現するかによって表現が変わってしまうためにこんなに複数の病名ができてしまいました。例えば、“脊柱管狭窄症”というのは、広義には、せぼねの中の脊柱管が狭くなった状態を意味します。脊柱管が狭くなる原因としては椎間板ヘルニアもありますし、せぼねがずれる(すべり症)ことで生じることもあります。腫瘍ができることもあります。また年齢とともにせぼねをつなぐ関節や靭帯が変形、肥厚することでも狭くなります。
どの病名がつくかは、何が一番の原因かを医師が判断してつけます。他の病院で診断された病名と違うからといって決して誤診されているわけではありません。“脊柱管が狭くなっている”という点においては同じなのです。

頸部痛(首の痛み)、腰痛の原因は?

日常生活で、首は頭を、腰は体幹全体を支えながら複雑な動きを繰り返しています。頸椎も腰椎も複数の関節で連なっていますので、長年の経過の中でいろいろな箇所が変性していきます。関節の適合性が悪くなれば痛みの原因になりますし、クッションの役割をする椎間板が変性しても痛みの原因となります。その他にも筋力の低下などでも痛みは生じます。せぼねと筋肉で身体を支えているわけですが、年齢とともにせぼねが変性してしまい、なおかつ筋力が低下することで、身体そのものが支えられなくなってしまうことも痛みの原因となります。自身の持つプラスの要素(筋力、柔軟性など)とマイナスの要素(脊椎の変性、過度な負荷、筋力低下、柔軟性欠如など)のバランスが崩れた時に痛みを生じるわけです。しかしこうした変性による痛みは一過性であることも多く、身体そのものが自ずとまた安定するよう働くことでいつの間にか痛みが改善します。一方で長期化する痛みには注意が必要です。長期化する痛みには何らかの原因が存在します。中には手術を行わなければ改善しない痛みもあります。痛みが長引いてしまう場合には必ず医療機関へ受診して専門医に相談しましょう。

手足の痛みやしびれの原因は?

頸部や腰部の痛みのみならず、上肢、肩甲部、臀部、下肢などに痛みやしびれ、動かしにくさや感覚の鈍さ(麻痺)を感じた時は神経の圧迫が関与している可能性があります。頸椎で何らかの変性が生じ、神経の通り道が狭くなれば肩甲部や上肢に痛みやしびれ、麻痺を生じます。狭窄の程度が強くなり、上肢へ伸びていく神経の枝(神経根:末梢神経)だけでなく脊髄(中枢神経)にまで影響が及べば、体幹や下肢、排尿排便にまで影響が及ぶこともあります。腰椎での変性によって生じる神経障害では、それより近位(上肢や体幹)に症状が出ることはありませんが、臀部、下肢の痛みやしびれ、麻痺、排尿排便障害を生じることがあります。

神経の枝(神経根:末梢神経)による症状であれば、1-3ヶ月の経過で8割ほどの方の症状は自然に改善します。これは体が自ずとその状態に適応することによります。神経の症状は、神経への圧迫と圧迫された部位への動き(せぼねの動き)の組み合わせで出現すると考えられています。たとえ脊柱管が狭くなっても、せぼねが変性していく過程で徐々に安定すれば症状は改善することもあります。また椎間板ヘルニアによる症状などは自然に吸収されたり、その環境に神経が適応したりすることで症状は改善します。ただし数ヶ月以上の経過でも症状が改善しない場合や、短期でも痛みや麻痺の程度が強く日常生活がかなり制限される場合には手術が必要となります。

一方で中枢神経である脊髄が圧迫を受け、細かな手の動きの障害やふらつき、歩行障害などが出現した場合は、自然に改善する可能性は低く、長期的には徐々に進行すると報告されていますので、手術治療を検討する必要があります。このような症状を自覚される場合には、比較的速やかに医療機関に相談してください。

せぼねの検査は?

脊椎の検査では、まず単純X線撮影(レントゲン検査)を行います。せぼねが曲がっていないか、ずれていないか、傾いていないか、不安定になっていないかなどせぼねの状態を評価します。時にはCT検査を行い、より細かく評価を行うこともあります。こうした検査は主に骨の評価に有効です。一方、神経、椎間板、筋肉、腫瘍、そして炎症の有無の評価にはMRIが非常に有効です。神経の圧迫がどのレベルにどの程度存在するのか、圧迫している主な原因が何なのかを評価します。

せぼねの治療について

せぼねの治療は疾患や病態にもよりますが、まずは保存治療を行います。主なせぼねの疾患は、病気というよりは経年変化の過程で生じるものが多いので、前述したように、痛みであっても神経症状であっても、大半は一定期間で自ずと改善します。症状が改善するまでの間、苦痛が少なく生活できるように、内服薬や注射(ブロック注射)、リハビリテーションを行います。内服、注射治療や物理療法と呼ばれるリハビリ治療は、長期的に続けることで病態を改善させるという効果はありませんが、自然と体が適応して症状が改善するまでの期間の症状を抑えてくれます。最終的に症状が改善すれば治療を終えることが可能です。リハビリの中でも運動療法は筋力の改善、柔軟性の改善、姿勢の改善に繋がりますので長期的に継続することが重要です。

ただし一定期間保存治療を行なっても症状が改善しない場合には手術治療を行います。脊椎の手術には大きく分けて三つの方法があります。

●除圧術

 圧迫されている神経の周囲を削ったり切除したりする手術です。
 この方法はせぼねの関節や椎間板が温存されるので、手術後のせぼねの動きに与える影響は少なくなります。

●固定術

除圧術では症状の改善が困難な場合、つまりせぼねがズレたり、傾いたり、不安定になったりしたことで症状が出現している場合には、せぼねを安定させる固定術を行う必要があります。
除圧術と固定術に関しては、そのアプローチの方法は様々です。何椎間の治療を要するのか、顕微鏡や内視鏡などを使用するのか、前方からアプローチするのか、側方からなのか、後方からなのか、はたまた両方からのアプローチが必要なのかなど症例によっても施設によっても異なります。そしてそれぞれの治療に対するメリット、デメリットがありますので、主治医の先生とよく相談する必要があります。

●圧迫骨折などに対して行う椎体形成術

圧迫骨折は本来自然経過で骨癒合することが多いため、コルセットなどを装着して保存治療を行うのが一般的ですが、中にはいつまでたっても骨癒合せず痛みが改善しないケースもあります。また骨癒合しても変形して癒合してしまうと、のちに姿勢異常(円背:いわゆる猫背)を生じてしまうこともあります。最近ではMRI検査を行うことで、どのようなケースで骨癒合不全を生じるのかを予測することができるようになってきました。その様なケースでは早期より骨折内にセメントを注入して固めてしまう治療があります。こうした方法も安全かつ低侵襲で行うことが可能になっており、5mmほどの傷が2箇所できるだけで治療できます。

当院での手術治療について

当院では2017年より脊椎脊髄手術を開始し、徐々に件数が増えてまいりました。ここ数年は年間250件程度の手術治療を行なっております。脊椎脊髄疾患に対する手術には、拡大鏡(ルーペ)、顕微鏡、内視鏡を症例に合わせて使い分け、より安全で確実な手術治療を心がけています。機器の進歩をうまく利用することで、神経や血管の同定がより詳細かつ確実となり、神経損傷のリスクが軽減し、出血を最小限に抑えることが可能です。ほとんどすべての手術が輸血なしで行えます。また術中脊髄モニタリング装置を導入しており、脊髄に電気を流して上下肢機能を確認することで、手術操作が安全に行われているかどうか、手術操作によって神経機能が改善したかどうかを常にチェックしながら手術を行っております。こうした低侵襲かつ安全な手術を行うことで、当院ではほぼ全ての手術において術当日に離床ができ、ほぼ1週間以内で退院することが可能となっております。

脊椎脊髄手術件数

2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
78件 180件 215件 248件 252件 245件

 脊椎センター、脊椎専門外来について

 20234月より脊椎専門外来を拡充することになりました。脊椎担当医が3人に増え、月、火、水、金の午前および火、水、金の午後に脊椎専門外来を行います。前述した様なせぼねの病気でお困りの方がいらっしゃれば、当院脊椎外来に受診いただければ、専門的な観点から現在の状態を調べ、より適切な治療法を提案させていただきます。
外来表はこちら

 

スタッフ

名前(フリガナ) 西脇 聖一(ニシワキ セイイチ)
役職 部長
医局長
専門分野 下肢関節外科
学会専門医・認定医

日本整形外科学会整形外科専門医

日本人工関節学会認定医

名前(フリガナ) 西澤 和也(ニシザワ カズヤ)
役職 脊椎センター センター長
専門分野 脊椎・脊髄外科
学会専門医・認定医

日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科認定医・指導医

日本整形外科学会整形外科専門医

名前(フリガナ) 本原 功二郎(モトハラ コウジロウ)
役職 副部長
専門分野 手外科
学会専門医・認定医

日本整形外科学会整形外科専門医

名前(フリガナ) 八木 桂太郎(ヤギ ケイタロウ)
役職 副部長
専門分野
学会専門医・認定医 日本整形外科学会整形外科専門医
名前(フリガナ) 北川 誠大(キタガワ マサヒロ)
役職 医長
専門分野 脊椎・脊髄外科
学会専門医・認定医

日本整形外科学会整形外科専門医

脊椎脊髄病医・認定医

名前(フリガナ) 蝶勢 友也(チョウセイ ユウヤ)
役職 医員
専門分野 脊椎・脊髄外科
学会専門医・認定医 日本整形外科学会整形外科専門医
名前(フリガナ) 篠永 翼(シノナガ ツバサ)
役職 専攻医
専門分野
学会専門医・認定医

 

外来担当表

9エリア
情報量が多い場合に横にスクロールできます。
一般整形外科
午前 1診 西脇
(初診)

八木
(初診)

本原
(初診)
輪番
(初診)

篠永
(初診)
※10/18休診

2診

輪番
(初診)

今井(晋)
(肩関節専門外来)
※10/1休診

三村
(股関節専門外来)

西脇
(再診)

八木
(再診) 

3診 本原
(再診)

篠永
(再診)
※10/16休診

午後 1診 西脇
(関節)

本原
(手)

3診

担当医
(手・足・腫瘤外来)
(第3週・13~14時)

脊椎センター
午前 6診

西澤
(再診)

蝶勢
(初診)
※10/23休診

西澤
(再診)
※10/4・11・18休診

7診 北川
(初診)
※10/7休診

蝶勢
(初診)
※10/22休診

北川
(再診)

北川
(再診)

8診

蝶勢
(初診)
※10/18休診

午後 6診   西澤
(再診)

蝶勢
(再診)
※10/23休診

西澤
(再診)
※10/18休診

★完全予約制
※月曜日~金曜日:受付10時30分まで



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