病院内には数多くの医療機器があり、それらが常に最良の状態で使用されることは、安全な治療の絶対条件です。私たち臨床工学技士は、医療機器の高度な設定や操作に関する知識・技術を兼ね備えた専門職です。臨床工学部は「臨床工学技術課」「医療機器管理課」の2部門で構成されており、総勢16名(男性14名、女性2名)のスタッフが、機器の適正な管理・操作を通じて患者さんの安全を守っています。
『組織力の強化に努め、職業人として一流を目指す』
医療機器のスペシャリストとしてチーム医療に深く参画します。患者さんが心から安心して治療を受けられるよう、日々技術の研鑽に励み、安全な医療環境を提供することをお約束します。
当部では、臨床工学技士を目指す学生さんの臨床実習を受け入れています。
日本臨床工学技士会のガイドラインに基づいた丁寧な指導を心がけており、専門的な知識や技術の習得はもちろん、患者さんの心に寄り添える「医療人」としての自覚と責任感を養える環境を整えています。実習生の皆さんが、現場での経験を通じて「臨床工学技士になって良かった」と思えるような、実りある学びを全力でサポートします。
当部には2名の業務調整員が在籍しています。災害発生時に迅速かつ的確に動けるよう、院内のマニュアル整備や定期的な訓練を行い、スタッフ一人ひとりの対応力を高めています。また、行政や他の医療機関とも密接に連携し、合同訓練にも積極的に参加しています。院内だけでなく地域全体で手を取り合い、もしもの時にも大切な命を守り抜くための備えをしています。
| 分野 | 資格・認定名称 |
|---|---|
| 血液浄化 | 透析技術認定士(1名) |
| 循環 | 体外循環技術認定士(1名)、心血管インターベンション技師(4名)、心臓植込みデバイス認定士(1名) |
| 呼吸・集中治療 | 3学会合同呼吸療法認定士(3名)、CPAP療法認定士(1名)、集中治療関連臨床工学技士(1名) |
| 高気圧酸素 |
高気圧酸素治療専門技師(1名)、臨床高気圧酸素治療装置操作技師(1名) |
| 救急・災害 | DMAT隊員(2名)、災害医療救護通信エキスパート(1名) |
| 内視鏡 |
消化器内視鏡技師(1名) |
| 管理・その他 | MDIC認定(1名)、第2種滅菌技士(1名)、臨床工学技士臨床実習指導者講習受講(2名) |
私たちは「生命維持管理装置」をはじめとする医療機器のスペシャリストとして、医師や看護師、多職種スタッフと密に連携し、24時間体制で患者様の安全と質の高い医療を技術面から支えています。
手術室では、日々高度化する医療機器をいつでも安心して使用できるよう、臨床工学技士が常駐し、万全のバックアップ体制を整えています。
麻酔器や内視鏡システムの始業点検を皮切りに、数多くの手術関連機器のメンテナンス、故障時の迅速な修理対応を担っています。また、手術室の電気設備や空調といった周辺環境にも細かく気を配り、不測の事態を防ぐことで、常に質の高い手術が行える環境を維持しています。
心臓・大血管手術においては、一時的に心臓と肺の代わりを務める「人工心肺装置」の操作を担当します。心臓を守るための補助装置や、ご自身の血液を回収して再利用する装置の管理、さらにそれらのデータの記録までを一手に担います。術前には心臓血管外科医、麻酔科医、看護師、薬剤師、理学療法士らと合同カンファレンスを行い、チーム一丸となって「安全で質の高い医療」の提供に努めています。
整形外科の脊椎手術支援ロボットやナビゲーションシステムの操作により、ミリ単位の正確さが求められる手術を強力にバックアップします。また、脳外科や整形外科手術で行われる「術中モニタリング」では、神経の反応をリアルタイムで監視し、手術による合併症を防ぐための重要な指標を医師に提供しています。
機械の操作だけでなく、医師のそばで直接手術を支える「直接介助(手洗い業務)」にも積極的に携わっています。看護師との役割分担(タスクシフト)を進めることで、手術室全体の効率化と安全性の向上を図っています。また、手術支援ロボット「ダヴィンチ」においても、セットアップから保守管理までをトータルに担当し、最先端の低侵襲手術を支えるパートナーとして活動しています。
カテーテル室では、循環器内科医らと共に、心臓や血管の疾患に対する専門的な検査・治療にあたっています。
狭心症や心筋梗塞、足の血管治療において、血圧や心電図を監視するポリグラフ、血管の内部を詳しく映し出すIVUS(血管内超音波)などの装置を駆使し、的確な診断と治療をサポートします。また、万が一の緊急時には、心臓や肺の働きを補助する生命維持管理装置(IABP・PCPS)を迅速に立ち上げ、患者様の命を守ります。
不整脈の根治を目指すカテーテルアブレーション治療では、「3Dマッピングシステム」を使用して心臓の形や電気の流れを立体的に可視化します。モニター画面から心臓の状態を片時も離さず注視し、安全でスムーズな治療が行えるよう技術面からリードしています。
器材の準備からデータ管理、清潔介助に至るまで、私たちはチーム医療の一員として医師や看護師と密に連携を取り、患者さんに最も適した治療を提供できるよう日々努めています。
ペースメーカーや植込み型除細動器(ICD)など、不整脈と共に生活される患者様の「安心」を形にする業務です。
植込み手術時のプログラミング操作から、退院後の定期的な動作チェック、データ管理までを一貫して担当しています。月に2回開設している専門外来では、電池残量や作動状況を詳しく確認するだけでなく、患者さんの生活リズムや体調に合わせて「最も心地よく作動する設定」を医師と共に考え、調整を行っています。
ご自宅に居ながらにしてデバイスの情報を病院へ送信できる「遠隔モニタリング」を活用しています。毎月の定期確認はもちろん、機器の小さな変化や不整脈の兆候を早期に発見できる体制を整えており、外来日以外でも「常に見守られている」という安心感を患者様にお届けしています。
ICUでは、命の危機に瀕した重症患者様に対し、高度な医療機器を駆使した治療が行われます。私たちは人工呼吸器や、心不全治療のための補助循環装置(IABP・PCPS)、そして血液中の毒素を取り除く浄化装置(CHDFや透析など)のスペシャリストとして、24時間体制であたっています。
内視鏡センターでは、胃や大腸の検査をはじめ、胃瘻の造設や気管支鏡検査など、内科・外科を問わず多岐にわたる処置が行われます。私たちはすべての症例において、処置がスムーズに進むよう医師の介助や外回り業務を担当しています。また、内視鏡機器は非常に精密で、徹底した衛生管理が求められます。使用後の厳格な洗浄・消毒、そして事細かな保守点検を欠かさず行うことで、患者さんが安心して検査・治療に臨める環境を守っています。
当センターの大きな特徴の一つである、滋賀県下で初めて導入された「高気圧酸素治療装置」の運用です。
専用の装置内で気圧を高め、通常の呼吸では得られない大量の酸素を全身の細胞に送り込みます。これにより、傷の修復を促したり、炎症を抑えたり、血流の悪い組織を活性化させたりすることが可能です。
「高気圧酸素治療専門技師」という高度な資格を持つスタッフが在籍しています。装置の緻密な操作はもちろん、治療中の患者様に不安がないようこまめにコミュニケーションを取り、リラックスした状態で安全に治療を受けていただけるよう配慮しています。各診療科の医師と密に連携し、患者さんの回復を全力でサポートしています。
当課は、人工呼吸器や輸液ポンプなど、命に直結する機器の購入からメンテナンス、廃棄にいたるまでを一括管理しています。 毎日の点検や故障への迅速な対応はもちろん、スタッフへの安全講習を通じて、患者さんがいつでも安心して最善の治療を受けられる「止まらない医療環境」を足元から支えています。
現代医療において、医療機器が常に正しく作動することは欠かせません。当課は院内にある医療機器の「総合窓口」として、購入から廃棄までを一括管理しています。
機器が常にベストな状態で使用できるよう、日常的な点検や修理、最新情報の収集を行っています。また、スタッフ向けの操作研修会を開催し、異常の早期発見と事故防止に努めています。
必要な時に、必要な場所へ、安全な機器を届ける。この当たり前の安心を支えるために、医療機器の
効率的な運用と保守管理を徹底しています。
病院内だけでなく、患者さんがご自宅へ帰られた後の生活も技術面からサポートしています。
睡眠時無呼吸治療器や在宅用人工呼吸器、輸液ポンプなどを使用される患者様に対し、導入時の操作説明や退院後のフォローを行っています。患者様とご家族が不安なく、安心して住み慣れた家での生活を再開できるよう、心を込めてお手伝いします。
院内の人工呼吸器を中央管理し、毎日の回診(ラウンド)や保守点検を欠かしません。また、RST(呼吸サポートチーム)の一員として、他職種と連携しながら、より質の高い呼吸ケアの提供に貢献しています。
私たちは、新しい仲間が「一人前の臨床工学技士」として自信を持って活躍できるよう、充実した教育プログラムを整えています。
独自のスキルアップ指標(資格別等級基準)を活用し、自分の成長を一つずつ確認しながら学べる仕組みを取り入れています。新人期間中は、上司との定期的な面談を行い、日々の悩みや課題を相談できる体制を整えています。
朝の時間を活用した役職者による知識共有の場や、若手職員向けの定期的な勉強会を開催しています。常に最新の知識に触れ、互いに高め合える環境が自慢です。
私たちは、医療人としての自覚を持ち、専門技術の習得に励むことはもちろん、医療安全や感染対策、個人情報の保護といった基礎も大切にしています。初期研修終了後も、一人ひとりが自覚と責任を持ち、当部の誇れる一員として共に成長し続けます。