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乳腺外科

概要

乳がんの診断と治療および乳腺に関する良性疾患も広く取り扱っています。
人に優しく、経済にも優しい、適切な医療を目指しています。過剰医療と消極的医療の両面から顧みて、常に患者さん本意の検査および治療となるよう心がけています。外科より独立した小さな診療科ですので、明るく、楽しく、どん欲にをモットーに団結して、総合病院として多部署との関わりの中で患者中心の幅広いチーム医療を展開しています。そうすることで病気の診療はもちろん、心理的・社会的サポートの充実につなげたいと考えています。
また乳がんの治療方針としましては、後述の初期治療の目標はがんの根治と乳房の整容性の維持であり、転移再発治療における目標はQOLや社会性を保ちながら可能な限りの延命です。当科では手術された方がそこでの転移・再発治療が困難な場合には、希望に応じてその後の治療や療養をお任せいただくようなことも行っています。メタバイバ―と呼ばれる、再発後生きていかれる患者さんに寄り添い、その肉体的、精神的、社会的負担の軽減のお手伝いができれば幸いです。

診療内容

情報量が多い場合に横にスクロールできます。
画像診断 マンモグラフィ、乳房超音波検査、乳房MRI、全身CT、PET-CT、骨シンチ、脳MRI、骨密度検査、乳管造影、乳管内視鏡
病理診断 太針生検(CNB)、マンモトーム/バコラ(VAB)、吸引細胞診(ABC)、乳汁細胞診、マンモテック、通常病理検査、免疫染色(ER/PR/Her2/Ki-67)、術中迅速病理診断(段端、リンパ節)
血液検査 腫瘍マーカー(CEA, CA15-3, NCC-ST-439, ICTP) 、p53抗体、Her2抗体
手術 内視鏡補助下乳房温存術、センチネルリンパ節生検(RIと色素併用)、乳房再建術(LDF, TRAMF)
放射線照射 術後(寡分割照射)、再発時(骨、脳)
化学療法 通院化学療法センター(化学療法専門薬剤師)
乳がん検診 検診センターにて
口腔内ケア 歯科・口腔外科にて
卵巣/子宮スクリーニング 産婦人科にて遺伝性乳がん時、タモキシフェン内服時
心理的サポート 心療内科、臨床心理士によるカウンセリング
復職支援 ソーシャルワーカー
在宅ケア 訪問介護ステーション
緩和医療 緩和医療チーム

 

転移と手術

微少転移

乳がんは、骨、肺、肝臓、脳などの遠隔臓器に転移することがあります。このような転移は乳がんがしこりとしてみつかるだいぶ以前から、すでに微小転移の形で存在し、1cm前後の大きさに増殖するとCT、MRIやPET-CT、骨シンチグラフィなどで遠隔転移としてみつかるようになります。乳がんと診断された時点で微小転移を直接確認することはできませんが、乳がんの性質や発見された時期から推定します。そして微小転移を伴っている可能性が高い場合には、乳がんの性質に合わせた薬物療法を行います。

手術

がんの局所をコントロールすることを目的に、発生した乳房の癌巣および近傍の転移リンパ節を切除します。乳房の部分切除の場合、乳房切除と比べ、局所再発の危険性はやや高いですが、まれに局所再発しても再切除を行うことで、生命予後は影響が非常に少ないことが判明し、当科では積極的に乳房温存手術(部分切除術)を行っています。
手術では、すでにある遠隔(微少)転移を減らすことは出来ません。逆に局所再発の中にわずか予後に影響することがあるため、画像検査と病理検査を用いた精度の高い癌の局在診断と術後の残存乳房に対する放射線治療を行って、局所再発を減らすよう努力しています。また乳房の整容性を維持するために必要最小限の切除を行うことと局所再発を減らすこととは一見相反することですが、可能な限り両立を図り、必要な場合には自家組織の補填や再建などの手技を行っています。
手術では、①がんの局所をコントロール;局所再発させない、②整容性の維持;きれいな乳房が重要であると考えています。

転移の早期発見

再発は、目にみえないくらい小さながん細胞が、乳がんになった最初の時点から体のどこかに潜んでいて、初期治療などもくぐり抜けて後になって出てくることです。
手術をした側の乳房やその周囲の皮膚やリンパ節に起こるものを「局所再発」といい、骨や肺などの乳房から離れた場所に発生する場合を「転移」あるいは「遠隔転移」といいます。
何らかの症状(ある特定の場所が常に痛い、咳が治まらないなど)を伴っていることもありますが、まったく無症状な場合もあります。
局所再発を早期に発見することは有効です。早期に治療することで治癒が期待できます。
遠隔転移再発を早期に発見することの有効性は否定されています。無症状の段階で検査で再発を発見して治療を開始しても,症状が出現してから治療を開始しても生存期間は変わらないことが臨床試験で示されています。遠隔転移のスクリーニングは奨められません。

再発治療

再発の治療は、局所再発と遠隔転移の場合で大きく異なります。
局所再発の場合は、初回と同様治癒を目指してがんを手術で切除したあと、必要に応じて放射線療法や薬物療法を行い再々発を予防します。
遠隔転移再発の場合は、特殊な場合を除き、がんの治癒は困難であると考えられます。
原則的にはがんの進行を抑えたり症状を和らげたりしてQOL(生活の質)を保ちながら、がんと共存するための延命治療を行います。

 

診断と治療

診断に関してはMMG, US, MRIの画像から太針生検(CNB), 吸引式組織生検(VAB)の組織検査で病理診断を行った後、CT(骨シンチ, PET)で全身の検査を行います。
その結果で必要例には化学療法を術前に行うことをお勧めしています。手術は根治性と乳房の整容性の両立を図り、①腋窩切開から(必要時内視鏡も用いた)乳房温存術、②センチネルリンパ節生検を用いた腋窩リンパ節転移の診断と治療、③自家組織(脂肪、筋)による欠損部の補填や乳がん再建術や乳頭乳輪再建術、を行っています。
術後は温存例や進行例には放射線治療を原則とし、術後病理結果から適切な薬物治療を追加し、再発を予防しています。また転移・再発例は心のケアと長期の延命を目指した積極的で柔軟な薬物治療を行っています。良好なQOLの維持のため早期から緩和治療も行っています。
今後インプラント再建の導入も検討しますが、当科では乳房の健常部の温存と自家組織による再建を第一に考えています。

検査の種類

マンモグラフィ

超音波検査

MRI検査

吸引式組織診

初期治療の考え方と全体の流れ

  • 乳がんと診断され、最初に受ける治療群が「初期治療」です。
  • 初期治療には、局所治療(外科手術、放射線療法など)と、全身治療(化学療法、ホルモン療法、抗HER2療法など)があります。
  • 治癒を目的として十分な治療をします。
  • 治療終了後は経過観察します。

治療法の決定

  1. がんの進行度


    しこりの大きさ・数・位置、腋窩や鎖骨のリンパ節への転移、他臓器転移の有無
  2. がんの悪性度


    病理結果、ホルモン感受性、HER2の程度、増殖指標(K167)など
  3. 全身状態


    合併症の有無、年齢など

これらを検討し、病状をきちんと説明した上で治療法を提案します。自分にとって最も適した治療法を選択していただきます。

診断・治療のフローチャート

 

スタッフ

名前(フリガナ) 木下 一夫(キノシタ カズオ)
役職 乳腺センター長
専門分野 乳腺外科
学会専門医・認定医

日本外科学会専門医

日本消化器外科学会認定医
日本がん治療認定医機構認定医

日本乳癌学会乳腺認定医・専門医

検診マンモグラフィ読影認定医

乳がん検診超音波講習会 評価B
緩和ケア研修終了

 

外来担当表

3エリア 1診

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午前 木下

木下
(第2・4週)

木下

木下

午後 木下 木下

木下

※乳腺外科の受付及び診察室の場所が変更いたしました。
受付:3番受付(小児科・小児外科と同じ)
診察室:3エリア1診



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